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年々増加傾向にある中古住宅に対し、国土交通省は平成22年度に「中古住宅・リフォームトータルプラン」を策定しました。このことにより、瑕疵保険のついた購入支援や、物件探しからリフォームローンまで対応するワンストップサービスも登場し、40歳未満の若い世代を中心に中古住宅を購入する人の割合も増加するなど中古物件の販売市場が広がりつつあります。
そこで今回は中古住宅の購入を検討するにあたってのアドバイスを、山形県不動産鑑定士協会
会員の月田真吾様にお聞きしました。
まず違法建築かどうかというのは「建築確認通知書」と「検査済証」が交付されているか確認しましょう。 この証書があるということは、国土交通省のガイドラインに沿って指定確認検査機関の検査を通った建築物であることを表しているからです。
また、地震が多い山形では特に気になる耐震性ですが、建築基準法の法改正のあった1982年以降に竣工された建物だとまず安心ですね。
住宅の劣化状況はまず水回りを見るとよいでしょう。配水管や給水管にひびが入って水漏れがあったり、脱衣所のような湿気が多い部屋の床下にカビやシミがあったりすると床下の腐食が進んでいる場合があります。水回りというのは劣化状況が分かりやすく出る場所でもあるので念入りに確認すべきでしょう。
中古住宅の魅力はといえばなんと言っても価格になります。「2,3割の割引がある」というのは高額になる住宅の購入ではとても大きいです。
所在地については購入検討中に平日と休日の朝・昼・夜の計6回ほど現地の様子を確認しておくとよいでしょう。 騒音や時間帯による交通量を知ることで検証材料の一つになるはずです。
「見落として失敗した」と言った声が一番多いのも、実は周辺環境・立地条件なので、しっかり見ることが大切になってきます。
また、中古住宅として売りに出ている物件の中にはまだ人が住んでいることがあるため、思ったよりゆっくり確認ができない場合があります。見学は雰囲気を知ることができる、といった認識でいた方がいいかもしれません。
山形での現在の中古住宅の売れ行きは好調です。 売りに出たらわりとすぐに買い手が出る、というのも現在の山形の一坪あたりの地価が一番高かったころの約半額くらいになっていて、購入しやすい時期が来ているんですね。 住宅の購入の際、予算が必要となってくる他にも、どのように物件を探せばいいかわからない場合は、銀行さんに相談に行くと力になってくれます。
平成26年度4月から消費税が8%となり、今後も増税が予定されています。 これが中古住宅の売買に影響してくるかといえば、実はそうでもないんです。
消費税は事業者が提供する商品やサービスに対して課税されます。 そのため、不動産会社が所有する中古住宅を購入する場合は消費税が発生するのですが、 一般個人が売主である場合には消費税が課税されないため、中古住宅の売買に限っては影響は少ないと思われます。
既存住宅瑕疵保険制度というのは中古住宅の検査と保証がセットになった保険制度で、 引き渡し後10年以内に瑕疵(目に見えない住宅の欠陥)があった場合、事業者により保険金が支払われる制度です。個人間売買の場合は依頼した検査機関が保証を行ってくれるので、中古住宅を購入される場合はぜひとも検討したい保険制度です。
中古住宅を購入する場合は新築住宅と比べると割安で購入できる分、何点か妥協せざるを得ない点が出てきます。それでも納得できなかったり、迷ってしまう場合はちょっと自己資金を捻出してリフォームするという手もあります。
購入を検討する際には、値段、所在地などの優先順位を決め、実際にその中古住宅で生活していくビジョンをしっかり持つこと、考えることが重要になります。
山形県不動産鑑定士協会
月田不動産鑑定事務所
月田真吾
山形市松山3丁目-10-11
本文に記載の情報は平成26年11月時点のものとなります。
保険制度など、くわしくは専門機関にお問い合わせください。