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▼蔵王で獅子舞 白昼夢

蔵王で獅子舞 白昼夢/
遊睦民祭in蔵王が9月22/23/24日の3日館に渡って開催された。


会場は蔵王温泉総合グランド。前日下見に行くと、温泉街から少し離れた会場に向かう途中迷うが、

カモシカの親子や日本サルに出会う事ができた。店のテントが立ち並びキャンプ村が出来ていた。



浅草のちんどん屋さん達


小やぎも現れる


 主催者側から長井の獅子舞団体の紹介を依頼され、長井市十日町白山神社の獅子舞保存会をご紹介し

た。5月に例大祭の獅子舞を終え獅子舞や鳴り物は万全の準備を備えている。

獅子宿の大獅子も獅子舞の応援にと展示されている。



踊りや民謡の櫓


オカメさんも何気に踊っている


素敵な頭巾の大正ロマン溢れるファッションの方



テントの屋根の下に目玉の描かれていない謎の獅子頭が多数取り付けられている

獅子舞は2回に分け、1回目は4時頃から始め、2回目は6時半から薄暗くなってからの構成だった。

大きなテントを神社に見立てそこから獅子舞の開始である。十日町白山神社の獅子舞は、総宮神社系の

舞で獅子頭は平成29年に渋谷の作で奥行き42cmと少し大きい。タテガミが多く、さらに大きく見せて

いる。両鼻には10本もの毛穴が植えている程だ。



会場に向かう十日町白山神社の一行


いよいよ始まる



控室からテント村に移動し道中振りが始まった。快晴の土曜でもあり人も大いに集まり大盛況である。

獅子がテント街に移動したが鳴り物の笛太鼓は移動せず、大型テントの前で演奏、私も笛で応援。

久しぶりに笛を吹く。宮笛は総宮系の笛の最初の旋律なのだが、覚えているものと違っていた。各

神社ごとに旋律が微妙に揺らいで、それも良い。少し合わせて吹いていると慣れてくる。






 夜の部は、粋な計らいを考えてくれて大獅子の前からの開始である。側には町切り提灯のゲート

があり、そこからだろうと予想していた。大獅子の応援に敬意をはらってくれる気持ちが嬉しい。






夜になるとテント街は、よりエキゾチックに変貌する。一番驚いたのは、酒場のブースにモヒカン

刈りやチョンマゲ専門の看板をあげた床屋があり、お客がモヒカン刈りの整髪をしているのである。

正に、トラディショナル ジャパニーズパンクスタイルを思わせる方々がウロウロしてタイムスリッ

プした世界である。映画のブロードランナーのワンシーンに迷い込んだようだ。その幻想的な環境

で獅子舞行列が進んで行き、やがて神社境内に見立てた広場で、獅子舞が繰り広げられる。




 四方を見返しで払い清め、お客に応じて歯打ちで御信心。神社に見立てたテント前では「拝殿見返」

「警護懸かり」では「警護巻」も披露され、ちょっと酩酊した詳しい名解説者のアナウンスされた。

獅子舞の段取りは、少し打ち合わせしただけである。毎年獅子舞をしている様に、瞬時にすべき所作

に反応する阿吽の呼吸と連携が見事だ。20代30代の屈強な若い衆が、力強く熟練した足付きの見返し

を見せている。




 四股名「小鑢(こやすり)」の警護は力士に見られる感情を押し殺した微動だにしない凛々しい立

ち姿。笛太鼓も、限られた人数で一定の音量とリズムを安定させることに注視し、互いに補う体制を

保っている。小学生低学年の笛や太鼓打ちもいて大人顔負けの鳴り物を蔵王の山々に響かせていた。

 警護と獅子との相撲を披露し、やがて階段を振り返りながら、盛大な拍手と共に上り神社に収まっ

た。ここが長井の神社と錯覚してしまう、いつもの感動に満ちた雰囲気だった。









このイベントの前身はコロナ禍以前には「蔵王岩龍祭」という音楽祭で、数年のブランクを経て

愛知県の「橋の下音楽祭」とジョイントして蘇った。

 初めて出会った長井の獅子舞も、共有した身体表現として心に響いたのだと思う。世界や日本

でも戦乱、気候、疫病、経済などの変動や混沌が続く中で、伝統芸能の持つ普遍性を改めて感じた

イベントだった。来年もまた参加し訪れたい祭りである。
2023/09/29 10:34 (C) 獅子宿燻亭10
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