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●2007年2月
 あるところに、たいそう貧乏なじいさまとばあさまが住んでいました。
 年越しの日、じいさまは正月の餅を買うために編んだ笠を売りに町に行きますが、さっぱり売れません。とぼとぼと帰ろうとすると、頭に雪が積もっていかにも寒そうな地蔵様を見つけます。じいさまは、売れない五つの笠を地蔵様たちにかぶせてあげることにしますが、地蔵様は六人。一つ足りません。じいさまは自分がかぶっていた笠を六人目の地蔵様にかぶせて、自分は手ぬぐい頭を雪で真っ白にして家に帰ります。そしてその夜・・・・・
 いい行いが報われるお話には、やっぱりほっとさせられますね。
 売れない笠を持って帰るじいさまや、雪の中たたずむ地蔵様たちが本当に寒そうな画。でも、じいさまの優しい行いに、画もぽっと灯りがともされたように暖かくなります。 文章には、味のある方言が使われていて、おばあちゃん、おじいちゃんからお孫さんに読んであげる本としても、ぜひお勧めします。
(瀬田貞二再話 赤羽末吉画/福音館書店発行)

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2007.03.16
(C)森の子ども図書コーナー

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