▼玉子を売るー涙をさそう奮闘記ーその2―2008/08/24 10:54 (C) ぼくのニワトリは空を飛ぶー菅野芳秀のブログ
▼「だからどうしたって訳じゃないけどさ」菅野さんは「だからどうしたって訳じゃないけどさ」ってなにげに自慢してますが(笑)、やっぱりすごいです。
やっと時代が菅野さんに追いつきつつあるかも、でも、それだってまだまだマイナー。11月8〜9日に東京で「地域のチカラ」とか「ローカリゼーション」をテーマにしたシンポジウムを準備してます。 中心人物は「ラダック 懐かしい未来」のヘレナ・ノーバーグホッジさんと「地域の力」(岩波新書)の著者でコモンズの大江正章さん。 大江さんは今度の本ではあえて、有名な長井や小川は外したところもあるようです。 2008/08/26 12:11:tu-ta:URL
▼東京のシンポお久しぶりです。
東京のシンポですか。 1月26日の世界社会フォーラム以来、東京でのシンポはおっかないものと・・。しばらく田舎から外には出ないようにしてるんですよ。当地には昔からエゾ、エミシと呼ばれていたころより言い伝えられていることばがあります。「都(の人)には気をつけろ」 だからというわけではないけれど、山里で静かにしています。 もうじき稲刈り。紅葉が美しい季節にはいります。 2008/08/27 07:10:菅野芳秀
▼いいな、卵・・・最近、市販の卵も栄養うんぬんが書かれてある卵、多いですが
サプリメントみたいなものを食べさせているのかなぁと 思ってます。でないと、いきなり栄養価が高い卵って 簡単にはできないでしょうし。 でも、菅野さんのところの卵は、なんというか 自然の恵みをそのままニワトリさんを通して 運んでくれるような そんな卵のような気がします。 だって、菅野さんは土から大事に育ててるんですもんね。 うわっつらの栄養じゃないものをいただける…そんな感じです。 うちは神奈川県なんですが、1軒、門もなく 外はすぐに大通りなのにニワトリを放し飼いにしている お宅があるんです。 どうして逃げないんだろう、道に出て行かないんだろう??と とても不思議です。 菅野さん、理由わかりますか? ニワトリって臆病なのかな? なんか好奇心旺盛な生き物に見えますが・・・ 2008/10/15 16:46:hiroko
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突然ですが、だいぶ前に書きためていた文章を掲載させてください。
今は玉子価格の改定ともうじきとれるお米の注文取りの準備で忙しいのです。話題は自然養鶏を始めた頃のこと。玉子を売り歩く話です。
<その1(07,2,12)>の続きだけど、忘れたべね。覚えてはいないべな。バックナンバーは時間があったら是非お読みください。
農民がモノを売る。JAなどには頼まずに、直に消費者に売る。むいている人ならば苦にならないだろうけど、オレのように口下手で恥ずかしがり屋は、ダメだね。
さて、ようやく産み出した玉子を持って、一軒一軒まわって歩く。この一端は前に書いた。大いに恥ずかしい。こんな気持ちは初めてだ。友人の果物売りを手伝ったことがあったがその時はもっと気楽だった。同じように各戸をまわっても、気分のあり方はまったく違う。「売ってやる」と「買っていただく」ぐらいの違いといえばわかってもらえるだろうか?他人のものを売るのとは違って、自分のものを売るときには、もっと切羽詰った気分なのだ。断られたときには、どこか自分の人格が受け入れられなかったような、否定されたような、そんな気分になり、落ち込んでしまう。身体はでかいけれど、気が弱いねぇ、オレ。
5軒まわって1軒ぐらいの確率で話を聞いてくれ、その1軒が5軒ぐらい集まってようやく玉子をとってくれそうな1軒と出会う。そんな感じだった。
このペースならば玉子があふれてしまう。それはそれでやりながら、次に考えたのが女性団体の代表者のお宅を訪問し、集まりの場で玉子の紹介をさせていただくようお願いすることだった。まず、代表に電話をかけることから始まる。
「あのう・・、市内でニワトリを飼っている菅野と申します。一度お宅にお伺いし、玉子の説明を・・・いや、あの、電話セールスしているわけではなくて・・」
出だしはこんな感じ。集まりの場で話させてもらうまでが一苦労。なかなか、はいとはいってくれない。話すところまで持ち込めれば上出来だが、当然のことながら、話せたからといって、うまくいくわけではない。全然反応がなく、見かねた代表が「とって見たい方はいますか?」とうながしてもだーれも手をあげず、逃げるように帰ってきたこともあった。こんなときにはみじめで、笑われているようで・・。なかなか「さぁ、次がんばろう。」というわけにはいかなかったよなぁ。
そんなことを繰り返しながら、玉子をとってみようという方が一軒、10軒・・・と増えていく。食べてくれる方が20軒ぐらいになると今度は口コミの効果が出てきて、私がまわらずとも、食べてくれるお客さんがどんどん宣伝してくれるようになっていったんだ。ここまで来ればしめたものだね。品物は自然卵。いいモノなんだからさ。
わずか3万1千の人口,9,000世帯の長井市で、200軒以上の方に、毎週、毎週玉子を配り続けている。もう30年ぐらいになったかな。やめた方はほとんどいない。こうなるともう、配達先とは親戚づきあいも同然ですよ。
当時、オレの目指す農業を自分では「地域社会農業」といっていた。はなっから都会を相手にしない農業ということだけど、気負っていましたよ。地域社会農業の集合体をもって日本農業とするならば、日本は変わる、おれはその一端を担っていくのだ・・・と。ニワトリの玉子からそこまで発想してしまうおれって・・・なんだろうね。「地産地消」という言葉が出てきたのは、そのずっと後、そう15年はたっていたかな。時代の先を行っていたんですよね。だからどうしたって訳じゃないけどさ。
今は、地域の需要を満たした上で、地域外にも出荷している。食べてみたい方は右の「お米や玉子のほしい方のために」を参照していただきたい。