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▼老兵の半生(餓鬼大将)

「会費は五円、じがいも5個、醤油は杯三杯、後は途中調達
いいな、一年生は体だけ。」
昭和30年八月のある日、7、8人の小学生に次の日曜日の
芋に会についての、説明をしている私がいました。
そうです、餓鬼大将になっていたのです。
私以外6年生が、いなかったせいでしたでしょう。
会費はイルカの肉を買うため
"途中調達"とは、芋煮する川原に行く途中、畑が沢山あり
各々が、手分けしてトマト、きゅうり、ナスなどを
失敬してくることを、いいました。
一度として、持ち主から苦情が、あったことは
ありませんでした。
いまなら、どうでしょう・・・・・・
すぐ下の妹が絵がうまく、妹に紙芝居の絵を書かせ、
文は私が書きよく低学年の子供たちや、まだ入学して
ない子供たちを集めては、紙芝居を見せておりました。
小川には、めだかやフナが泳ぎ、夏には蛍がいっぱい
メンコやビー玉、”かくれんぼ”、”かんけり”
”チャンバラごっこ”などが遊びの中心でした。 
小遣いは、多くても月に10円でした。 
電気工事の終わった、電柱の下を銅線の切りくずを、
拾い集めて、廃物やに持ち込み、小遣い稼ぎを、
していたのも、この時代でした。
父もこの頃は、体も良くなり鎌ゃ鍬などの、農家で
使う工具等の販売業で、懸命に働いており、母も近くの
商店に勤務しており、私も松葉杖を使うことなく、走りは
出来ないまでも、その他はなにも不自由ない、体に
回復しており、一家五人のくらしは、相変わらずの貧しさを
除けば、私にとって、一番楽しかった時期だと思います。
・・つづく・・

2008/09/29 09:39 (C) 株式会社吉田製作所
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