▼種もみの消毒・再掲載2009/04/16 12:35 (C) ぼくのニワトリは空を飛ぶー菅野芳秀のブログ
▼消毒の話今家庭菜園の種まきが始まっています。
種は、ドイツのスーパーなどでも、売られているし、朝市などでは苗も売られ始めました。 その袋に入った種は、日本でも同じだけど、食用、飼料用にしないでくださいと書いてあります。 以前は気にしなかったけれど、これは菅野さんの種籾の消毒と同じで、消毒してあるんですね。それを誰も何も感じなくなっているんです。 ほんとに、消毒しないと病気が出るんでしょうけど、薬で押さえ込む・・・これは、癌の治療に抗がん剤(毒)を用いるのと同じで、恐ろしい副作用があることを現代人はもう気にもしなくなっている。 種と言っても数グラムの事ですから、たいしたことは無いと思うけど、実はこれがトン単位で作られているのだから、本当はすごいことなんですね。****山形県内でおよそ400万リットルの廃液***鯉がどれだけ死ぬか・・・恐ろしいことです。 2009/04/16 19:10:クミ
▼土の消毒家庭菜園用に草の出ない土というもの売られています。土を消毒してあるのでしょうか?この土に水を撒くとどうなるのでしょうか?心配です。
2009/04/16 21:05:たんぽぽ
▼温湯法なんて読むのが、正しいのでしょうか?
できれば、方言バージョンも交えて、ご教示くださいませ。 やり方は、研究室でセンパイとかがやっていたのをみてましたが(机の下に、バケツがあって、そのなかに種籾が・・・)、正式名称?というのでしょうか?不勉強ではずかしいです(><) 2009/04/19 08:06:農経のコウハイ
▼だよ!温湯法・・・おんとうほうだよ。方言は・・・同じだね。
いい天気だ。さくらは満開。これから上京します。 明日の夜に帰ってきますぞ。 いまは農繁期のど真ん中。 要求される仕事量に身体がまだなれないため 疲れがたまります。 だんだん慣れていくんですけどね。 2009/04/19 12:46:菅野芳秀
▼☆おんとうほう☆(3回唱えれば大丈夫)センパイ!ありがとうございます。
学生さんに、センパイのコメントをちゃんと説明いたします。 (読めないと、説明以前の問題です・・・すみません) お米、ちょっとづつ食べてます(新米を心待ちです。) いま、岩手の陸羽とセンパイからのお米(2品種)をたべつつ、やはり外食は出来なくなりますね。 美味しいご飯があれば、仕事量ははんぱないのですが、なんとか生きていけるみたいです。農家さんからお米を買うことを紹介した友人もまた、そんなことを言っていました。 私の学生さんは社会人の方がほとんどです。 もっと、紹介して、みんな健康になって、そして、稲作が無理なく(いまもいままでも無理しすぎなのは重々承知なのですが)、これからも続いていかれますよう・・・ふしょうなコウハイもがんばって参ります! センパイ、お腰など、どうかご自愛くださいませ。 かげながら、おいのしております。 2009/04/20 13:42:農経のコウハイ
▼おんとうほうコメノタンボです。初めまして。
北関東の山の中から、書き込んでいます。 わたしも今年初めて田んぼを作る予定です。 民間稲作研の研修では、温湯法消毒は60度で7分と教わりました。 ただ稲葉光國先生は、正しい方法でしないと消毒が不十分になり、病気が発生するともおっしゃっていました。 最近一部で「温湯消毒が効かない」と言われるのは。これが大きな原因ではないかとも。 わたしはビギナーなので、苗は有機農家から分けていただくのですが、来年はできたらチャレンジしてみようかと想っています。 食べもののことを知るようになって、あれだけ食べていたコンビニのおにぎりやサンドイッチを食べなくなりました。 いまはもっぱら、自分で作ったおにぎりです。 食べるものが自分を作る。自分の身体を作るものは、食べたものしかないのですよね。 それを作るお百姓さん、尊敬します。 2009/05/10 21:06:コメノタンボ
▼どうぞ!山さくらさん、種子原人さん;どうぞご自由にご使用下さい。
私はといえば、農作業でへろへろ状態です。まわりは腰を案じてくれますが、とても休める状態ではありません。たとえば二種類の堆肥散布を一種類にするとか、化学肥料で代用するとかすれば、多くの自由な時間ができるのでしょうが、気持ちは満足できません。不満足なスタートとなってしまいます。だから・・・さ。気持ちが喜ぶためにはやるしかないのですよ。 コメノランボさん;温湯法の時間についてですが、もし、種子選定の塩水選をやった後ならば60度で5分です。乾燥したモミを直にやる場合は60度で10分から15分ぐらいでしょうか。私は10分でやっています。もし前後の区別なく7分でしたら、一方で高温障害がでますし、他方ではたりません。経験からいってそう思いますよ。アレヤコレヤの不安をもちつつ進めていく行程事態が、農のおもしろさですから、存分にお楽しみくださいな。 2009/05/11 07:39:菅野芳秀
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下の文章は、このブログに「種もみの消毒」として一度掲載したものです。
「温湯法」は増えていますが、まだまだ薬剤が幅をきかせており
問題は深刻です。ぜひ、ご一読ください。
春になった。
春になると米作農家は種モミの準備にはいる。まず始めは塩水に浸して、沈むモミと浮き上がるモミを選別する「塩水選」。私たちの地方ではこの作業を「しおどり」と呼んでいる。実の充実した種を選ぶ大切な作業だ。
その後引き続いて、種モミの消毒をおこなう。種モミに付着しているいもち病、バカ苗病などの、もろもろの病原体を取り除くためだ。私はこれを「温湯法」でおこなっている。
「温湯法」とは60度のお湯に種モミを5分間浸け込み、その後冷水で冷やすという方法だ。それまでの私は農薬を使ってこの消毒をおこなっていた。でも、ある出来事をきっかけに今の方法に変えた。15年ほど前のことだ。
「チョット来てみてくれ。大変なことになった。池の鯉がみんな死んでしまったよ。」緊張した表情で訪ねてきたのは近所で同じ米づくりをしている優さんだった。急いで行ってみると池の鯉がすべて白い腹を上にして浮いていた。その数、およそ60匹。上流から種モミ消毒の廃液が流されてきたらしい。川の流れは細く、水に薄められることなく池にはいってきたのだろうと優さんはいっていた。
種モミは農薬のはいった水に浸けられ、殺菌処理されるが、問題はその後の廃液の処理だ。河川に流せば水生生物に被害をあたえる。下流では飲み水として活用する地域もある。流せない。
農協は、河川に流さず、畑に穴を掘り、そこに捨てるようにと呼びかけていた。でも、畑に捨てたとしても土が汚染するだろうし、地下水だって汚れないともかぎらない。どうしようか。種モミの殺菌効果は完璧だが、毎年おとずれる廃液処理に頭を悩ましていた。
そんな中でであったのが「温湯法」である。これを教えてくれたのは、高畠町で有機農業に取り組む友人。この方法はきわめて簡単で、しかも、単なるお湯なのだから環境は汚さないし、薬代もいらない。モミの匂いを気にしなければ使用後、お風呂にだってなってしまう。なんともいいことずくめの方法なのだ。
へぇー、こんな方法があったんだぁ。始めて知ったときは驚いた。環境にいいし、第一お金がかからない。
幾年か経験を重ねた後、近所の農家に進めてまわったが、我が集落で同調する農家はごく少数。15年間増えてはいない。どうも私には技術的な信用がないらしいとあきらめていたのだが、この間、農業改良普及センターにいったら、うれしいニュースにであえた。
「庄内地方に「温湯法」が増加。今年は1,500〜2,000haの見込み」。
いらっしゃったのですねぇ。ねばり強く普及に取り組んでいた方々が。
単純に計算すれば、県内でおよそ400万リットルの廃液ができる見込みだ。
やっぱり俺もあきらめずにPRしなくちゃ。