ヤマガタンver9 > リアクション 不能!!

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▼リアクション 不能!!

約20年前
業者のセールスがよく“溜まって”いた
街のはずれの小さな自動車整備工場があった

私は損保の担当社員で週一ペースで訪問していた
そこには当然ディーラー各社のセールスも出入りしていたが
“彼”もその中の一人であった
営業としては まあなんとなく優秀には見えていたが
外見上の特筆すべき点が 一点だけあった
彼は当時20代だったと思うが 頭頂部が“不毛地帯”だった
いわゆる 若ハ○というやつだったが見慣れていて違和感はなかった

ところが

ある日 いつものように店主の奥様と談笑していると
彼も いつものようににこやかに店に入ってきた

『おっー・・・』 と言ってから次の句がのどに詰まった

最初すぐには なにが起きたのか理解できなかったのだが
なんと 彼の頭頂部が“フサフサ”ではないか

『えーーーーーー!』(心の叫び)

なんだよオマエ それは!! 説明せい!!
これが その場にいたみんなの本音
ところが 彼はいつものようにニコニコして何にも語らない
語らないんだから 我々も“そこ”に触れることはできない
いやー 会話がすべるすべる アイスバーンのスキー場だ

ひとこと 『なんちゃって!』(時代が違うか?)とか
     『やっちゃった!』なんて言ってくれれば
我々も ガンガン突っ込んで笑い飛ばしてから受け入れるのに
彼は とにかく いつものとおりで やりすごす作戦
だけど オレラ どうリアクションすればいいのよ
地上2mぐらいのところを会話が行き交いながら
彼は いつものように さわやかに帰っていった

その後
その場に残った私を含めた数人
顔をつき合わせて 一瞬間があってから 一斉に大爆笑
溜めていた笑いのエネルギーが一気にビッグ・バンだー!!
いやー 笑った笑った 周囲50mに笑い声が漏れるほど笑った

結局 彼はどこでも“だんまり”作戦を通し
そこいらじゅうで“ビッグ・バン”を巻き起こした
そりゃあ当り前で “いきなり”はないよなー
まあ いつか時が解決してくれるとはいえ・・・

あれは完全に彼の作戦ミスであった



2009/11/02 08:31 (C) FPのひとりごと
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