▼村の春2010/04/02 09:54 (C) ぼくのニワトリは空を飛ぶー菅野芳秀のブログ
▼水に浸す時間は?〜〜〜種モミは、品種によって若干異なりますが、水につかった積算温度が100℃になると芽を出しはじめます
*積算温度 水温が10℃だったら10日間で100℃ よって、催芽をするのは、芽が出るまでの作業日程の短縮(15℃〜30℃で3,4日)と 種まきをしたときに一斉に生えそろう手助けをするための作業です〜〜〜〜〜 と、あるコメ作り農家のHPに出ていたのですが、水の温度は、理想的には何度ぐらいでしょう。 昨日、温湯消毒して、すぐ、水につけました。部屋の中に置いたので、水温は18度。今は、外の日陰で、13度でした。 菅野さんのご指導を待っています。 2010/04/03 21:01:くみ
▼理想的な温度?18度と13度・・どちらでもいいと思いますよ。どちらも春の範疇ですから。ただ13度の方が多少時間がかかるというわけですね。気をつけなければならないのは30度以上にはしないこと。それに時々水を替えてあげることですね。はじめの内は2,3日に一回の割合でいいのですが、後の方になれば毎日替えたほうがいいと思います。
2010/04/03 23:01:菅野芳秀
▼イースターです。さっそくお返事くださりありがとうございました。 今朝は気温が6度ぐらいでした。水温は13度でした。 今日からは家の中に入れます。少し遅いくらいなので、早く播きたいから。水を替える、知りませんでした。よかった。 今日はイースター。キリストが死刑になった金曜日、そのあと、今日、復活したことに由来します。木曜から学校は休みになり、1週間とか2週間とか休暇を取る人もいます。 3年前はこの時期に気温が四国並みのトルコ地中海岸へ1週間休暇に行き、ドイツより6週間は早い春を楽しみました。 今年からは、野菜の栽培があるので、3月から10月はどこへも行かれません、と宣言してあります。その間がっちり働いて10月から2月まではドカンとやすむ、こういう目標です。 そうなったら、日本へも行かれますね。 この4週間は、種まき苗作りが目の前にちらついて、大したこともしていないのに気ばかり焦る毎日でした。 借りた畑は牧草の根が深さ20cm以上も絨毯みたいになっていて、道具では1平方m剥がすのに20分はかかりました。腕がどんどん太くなる。それで、耕運機を借りて耕し、そのあと根を取り除き、(と言っても、いくらか取り除くだけで、根の塊がごろごろしている状態です)幾分、畑らしくなりました。 この畑、850平方メートルで1年、20ユーロ(2400円です。買ったらいくらか聞きませんが、日本の田んぼは高いですね!!) 根っこのじゅうたんの下は、感動的なほど、素晴らしい土です。石はほとんどなく、ふかふかで、鉛筆の太さのミミズがにょろにょろいます。そして、モグラのトンネルがあるので、モグラに引っ越してもらわなくてはなりません。ペットボトルの風車で雑音を地下に送るというのを見つけたので、それでやろうと思っています。 ここにも陸稲を少し植えるつもりです。 そして、2月に剪定した3本のリンゴの木。これに実がなって、1kg1ユーロじゃなく、1個1ユーロで売れるようになるのが目標です。 そのうち、この1年20ユーロの小作料が10倍になるよう、頑張ろうと思っているんですよ。 だって、畑を耕していたら村のおばあさんがやってきて、 「やめなさいやめなさい、そんなこと出来るわけない、無駄だよ、ここは木を植えるか牧草をやるのが関の山。まあ、やってみてもいいけど半年経ったら話を聞いてあげるよ」って呆れたように言われたんですから。 ここの地主がこぞって野菜の栽培を始めたら、この村はまた発展します。そう思うと面白い。 その火付け役が日本人だったなんて!ますます面白いでしょう? 2010/04/04 16:20:くみ
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種籾の消毒が終わった。
モミを60度のお湯に5〜7分ほどつけたあと、今は水の中に浸している。
いよいよだ。
春ははじまり。
今年から田んぼが5反ほど増える。
その田んぼは今まで82歳の栄さんが近所の人から借りていたものだ。自分のものを含めて1・3hほどの水田を耕していたが、いよいよできなくなった。それがこちらに回ってきた。
栄さんにとって午後の3時過ぎは晩酌の時間で、夕方、話があるからと言うので行ってみたら、やっぱりいっぱいやっていた。歳に似合わずウイスキー党。水割りを飲みながら、あずけたい田んぼの説明をしてくれた。
「自分の田んぼは作れるのかって?当たり前だよ。まだまだ大丈夫だ。それに孫がやってみたいと言っているしよ。」
孫は20歳で工場に勤めているが、あまり仕事がなく、週に3〜4日も行けばいいので田んぼをやってみたいのだという。
「機械はまだ動くしよ。孫がやりたいというんじゃ教えなくちゃな。」
栄さんは張り切っている。まだまだ現役だ。
先日、70歳になる豊さんから「俺の田んぼを3反ほど買ってくれないか。」と電話があった。ちょっと前なら一反で120万はした田んぼ。去年豊さんはその田んぼ3反を120万円で買ったばかりだ。それを今年、90万円で手放したいと言う。何があったのだろう。「いや、ちょっとな・・・・。」と豊さんは口を濁して語らなかったが、よくよく困ってのことだろう。何とかできないかと息子と相談したが、断らざるを得なかった。我が家にも余裕はない。
隣の建ちゃんは74歳。ひざが痛いと足を引きずりながら歩いている。奥さんは建ちゃん以上に足が悪い。彼は4hの田んぼをほとんど一人でやっている。もう、苗箱に土入れ作業をやっていた。
「早いなぁ、建ちゃん。」
「うん、にわかなことはできないからよ。少しずつやっていかないとな。」
作業の手を休めて笑顔で応えてくれた。建ちゃんには笑い顔が似合う。
専業農家の道さんのところに行ったら、一人で庭木の雪囲いをはずしていた。息子は生産組合の研修で泊まりだという。息子といっても46歳。まじめに働く好男子なのだが、まだ独身だ。
「なかなか来てくれる人がいなくてな。誰かいいひといないかな?」
73歳の道さんにとって、息子の行く末が心配だ。
栄さんから引きついだ田んぼの持ち主と小作料について話し合ってきた。
「何ぼでもいいんだ。お互い様だから・・。」と、安い米値段にいたく同情され、励まされて帰ってきた。
村の春。
さまざまな春。
いろんな思いを持ちながら、田んぼの季節が始まっていく。