▼不覚にも2010/12/01 21:26 (C) ぶっくぶくの部屋
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二つの峠を越えて行く道は、もう幾度も通っている。
車内でおいしい弁当をいただいて、一つ目の峠を越えた
までは何ともなかったのだが、二つ目の峠に入った
あたりから、何だか軽いめまいと嘔吐感に襲われた。
峠の途中でたまらず半強制的に「トイレ休憩」で
バスから降り一目散。
ん?これってもしかしたら「乗り物酔い」っていうヤツ?
生まれてこの方、乗り物酔いした覚えなどあまりないのだが、
この歳になって不覚にも…。
その夜は懇親会もあったのだが、食べ物には何も手を付けられず、
水割りを2、3杯飲んだだけ。
帰りのバスでは、嘔吐の恐怖から遁れるように酒を飲み、
陽気な談笑に興じていたら…、なんともなかった。ヘッ。
要は、気分の問題なのかもなあ。
File No.195
『のぼうの城』上・下 和田 竜(小学館文庫 各457円)
オススメ度★★★★☆
少し前に、ある知人が「すごく面白かった」と言ってしきりに
勧めてくれたのが、この本。
うむ〜、確かに面白かった。さすが「本屋大賞」第2位の本だ。
時は戦国時代、豊臣秀吉の小田原攻めの一環として、石田三成らが
武州の忍城を攻めた。
石田三成を総大将とする秀吉方約2万の大軍に対し、忍城で迎え
討つのはわずかに5百。
守勢側の総大将が、この本の主人公である成田長親、通称「のぼう様」。
なんで、「のぼう様」なのかというと、「でくのぼう」の略称
というから、いかに愚鈍そうな御仁かがわかる。
しかし、この「のぼう様」がただ者ではないところが、この物語の
面白いところなのだ。
勝ち目のない戦を目前にして、主家である北条を見限り、忍城を
開け渡し、秀吉方に降ろうと軍議が決しようとした時、ただの
でくのぼうだと誰もが思ってた長親が敢然と言い放つ。
「武ある者が武なき者を足蹴にし、才ある者が才なき者の鼻面を
いいように引き回す。これが人の世か。ならばわしはいやじゃ。
……それが世の習いと申すなら、このわしは許さん」と。
そして、成田軍はたったの5百人で敵に悲壮に立ち向かう。
下巻になってくると、徐々にこの男の底知れぬ魅力・能力が
現れ始めてくる。
「…名将とは、人に対する度外れた甘さを持ち、それに起因する
巨大な人気を得、それでいながら人智の及ばぬ悪謀を秘めた者の
ことをいうのではなかったか」
と「のぼう様」の真髄に迫ってくる。
やはり、「有能なるも敵には無能を示せ」という兵法の初歩は
古今東西に共通していることらしい。
ストーリーは、あえてこれ以上は書かない。
師走に入り、年末年始何しようかなと考え始めているアナタ、
この本で半日はエンターテインメントの世界に浸れるゾ。