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▼大きな連携

大きな連携/
 TPPをめぐる情勢は緊迫度を増してきました。
野田総理は5月の連休中にも訪米し「TPP参加」を表明しようとしています。
大統領選挙直前のオバマへ氏へのお土産ということでしょう。
どこまでも「ポチ」です。

さて、私たちは各界のNGOに呼びかけて、ともに「TPPに反対する人々の運動」をつくり、
さらにそれへの参加と連携を呼びかけてきました。
2010年11月の結成当時は「日本消費者連盟」など20団体に少し足りないNGOとともにスタートしたのですが、
今では100を超えるNGO、団体と情報と課題を共有できるところまできました。

それでもTPP参加阻止を実現できるほどの「国民」的な運動の広がりまでにはまだまだです。
われわれだけでなく各界、各領域の反TPP運動も相互に連携がとれておらず、今もなおばらばらなままです。
確かにそれぞれの集会には代表者を送り、エールを交換し合っていますがそれ以上ではありません。
行動の連携はおろか情報の共有も充分にできていません。

このままでは押し切られてしまう。
この国の今と未来のあり方を決めることができるのは世界の大国でもなければ巨大企業でもない。
この列島に暮らす人々であるという「国民主権と民主主義」にとっての大きな危機。(このような言い方にどこかヒッカッカるところがありますが)
この事態を前にしてなおバラバラのままでいることはゆるされません。
大きな視点にたった大きな運動が求められています。
そしてそのことに誰もが気づいていました。

3月13日、私たち「TPPに反対する人々の運動」は、いよいよ切羽詰ってきたこの時期に、
各界、各領域を越えた幅広い大衆団体・市民団体に、これからの運動方向をともに考える「円卓会議」をよびかけました。
応えてくれたのはパルシステムを先頭に、生活クラブ、大地を守る会などの生協・消費者団体。
全日農、北海道農民連盟、農民連、各地の農民団体などの農業団体。
労働団体、市民団体。
それに食健連などそれだけでたくさんの連携団体をもつネットワーク型組織など多数です。

古い言い方ですし、このようなモノサシが運動の前進にとって何のプラスにもならないことはあきらかですが、あえて言えば
旧「社会党」系、共産党系の垣根を越えた反TPPを願う大衆団体が集まりました。
会議ではTPPをめぐる基本的な考え方と現状を報告しあいました。
第二回目は4月4日。
これからの運動の方向、あり方を話し合います。

いままでバラバラのままだった市井の人々の反対運動が、築かれていた(築いていた)垣根を越えて同じテーブルにつき、これからの方向をともに考える。
お互いを尊重し対等で平等な関係を基調としたうえで、TPP参加阻止の一点に智恵と力を集中する。
時には行動を共にする。
これは運動が勝利するために求められる最低で必要な条件です。

追い詰められた結果とはいえ、もしそれが実現したとすれば
日本の大衆運動にとって記念すべき出来事と言っていいと思います。
また、このような連携が首都圏で取られるとすれば、全国に及ぼす影響は決して小さくはないでしょう。

韓国では韓米FTAが締結されましたが、その秘密主義と、暴かれた内容の余りの不平等性。大手企業の利益と大多数の国民の受ける不利益の大きさに抗議し、
その撤回を求める運動が全国に広がっています。

(韓国において、広範な人たちの耳目をにひきつけ、国民運動ともいえるFTA撤回運動をつくりだしてきたのは、
「歴史的な垣根」を越えようとしてきたそれぞれのリーダーたちの努力だと聞きました。我々にそれができないわけはありません。)

オーストラリアではISDI条項(企業が投資先の国を訴えることができるというルール)をめぐって紛糾しています。
そんな中の日本の反TPP運動の成長はそれら各国の運動への大きな貢献ともなるでしょう。

ともあれ、この4月はTPPをめぐってきわめて大事な月となるはずです。
4月4日を経て「大きな4月行動」へ。
綱渡りのような日々が続きます。
ぜひ、ご注目ください。
そして、ともに創っていきましょう。

                          菅野芳秀
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