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▼悲恋 破恋 恥恋 笑恋・・・ 虹色の里から 番外編

 高校時代の三年間は、いい意味でも悪い意味でも、俺たちのその後の人生にずいぶん影響を与えているよね。えっ、その中の特に何がですと?笑うなよ、いいかい。それはな・・・こい・・koi・・恋。恋なんだよ。

 少し大きめの制服を着た同級生の中から、一人の女性の姿を眼で追うようになったのは一年生の夏ぐらいからかなぁ。

 以来、卒業までの三年間、悲恋、破恋、恥恋、笑恋、大失恋の数々。

 あまり胸はってよそ様に語れるものはないけれど、胸の中にはいつも特定の人がすんでいたよ。
廊下ですれちがった時にわずかに眼があっただけで、どんな部活の苦しさにも耐えられると思ったし、そこにほんの少しの笑顔でも付け加われば、それこそ一週間は天国に昇ったような気分が続いたね。

 当時はやった「高校三年生」という歌の中に「ぼくら、フォークダンスの手をとれば・・」という歌詞があったけど、そのフォークダンスが何日も前から楽しみで、前の日は念入りに髪を洗い、ツメをきり、と・・。でもね、笑っちゃうのは、イザその娘との番がまわってくるとガチガチになりながらも、わざとそっけなくするんだよね。ばかだねぇ、若いねぇ、かわいいねぇ、あのころの俺、俺たち。

 俺たちは三年間の中で、異性とのつきあい方を学んだと思うよね。想像をやたらふくらませ、美化しすぎることなく、また、その逆でもなく、様々な失恋や悲恋の中から、等身大の異性との関係のとり方、つきあい方を学んだんだと思うんだ。

 もっとも、俺の場合はまだまだ勉強が足りなかったとみえて、卒業後も悲恋、破恋・・は続くんだけどさ。

    





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