▼二頭仕上げ2017/01/17 07:47 (C) 獅子宿燻亭6
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長井市十日町の白山神社の黒獅子と白鷹町山口の羽黒神社の赤獅子が塗り上がってきた。
まだ生々しい漆の臭いが、部屋を満たしている。
漆負けはもう勘弁してほしいので、なるべく触らない様にしているが
気がつくと忘れて素手で持っているので手の甲あたりがムズムズし始めている。
さっそく黒獅子からタテガミを植える。
赤獅子は獅子箱と新調記念の手拭の仕上がり待ちながらタテガミを取り付ける予定だ。
黒獅子の毛穴の数が半端ない。
成田の獅子に次ぐ120ヶ所で顔の表情が見えない位である。
これも獅子舞を愛する依頼主たちの数多いコダワリの一つ。
通常の獅子頭の2倍のヤク毛を使用・・黒い波模様の獅子幕を背景にして獅子頭が
凛々しく浮かび上がるだろう。
タテガミは獅子の激しい動きに合わせて変幻自在に獅子の表情を映し出すかのようである。
十日町は総宮神社の例祭の建元であり、当地にあった明王院は総宮神社の獅子舞を取り仕切っていた
が明治始めの修験道廃止令で衰退して廃寺してしまった。
総宮神社の宝物殿に並ぶ歴代の獅子頭のタテガミを見ても然り、昭和初期の映像や写真を見ても
豊かなタテガミをなびかせている。ヤクの毛は仏具の払子(ほっす)や大名行列の鳥毛にも用いられ
ている。
厄や邪気を祓う物として獅子頭に取り付けられている意味がある。
獅子頭はタテガミが付くと生き生きとして一回り大きく見えてくる。
命が宿り、心臓の鼓動が聞こえてくるが如く感じるのである。