▼年寄り達の田んぼ2006/05/30 14:17 (C) ぼくのニワトリは空を飛ぶー菅野芳秀のブログ
▼懐かしいですね。今回の文章、読ませていただきながら、あぁ一年前のことなんだな、と思い起こしました。この一年、いろいろなことがあったので、「まだ一年」ですが、なんだか懐かしいような気持ちです。
先日農水省に問い合わせたところ、日本の農業者の平均年齢は、63.2歳(2005年、農林業センサス調べ)だそうです。 数年前のものも聞きましたが、数字は上がり続ける一方でした。 意欲を受け継ぎ、若さを吹き込む! そんなお手伝いができたら、あるいは一員になれたら…と思いますが…。 2006/05/30 19:20:アズマ
▼どう思います?意欲を受け継ぎ、若さを吹き込む!力強い言葉、頼もしい。ところで、菅野さん。本人は有機農業をしているのに若いということで農薬の空中散布をしているという若者の切実な悩みを聞いたことがあります。切ない話だと思うのですが。
2006/05/31 02:37:大木
▼空中散布についてそろそろ農薬の空中散布はなくなるでしょう。争わずとも、中止になるよ、きっと。
2006/06/01 00:33:祐樹
▼うれしい言葉いいですねぇ。意欲を受け継ぎ、若さを吹き込む!こんな勢いのある言葉、久しぶりですよ。まだまだ捨てたものじゃないよな。そんな気持ちになった。
オレの息子も、自分の田んぼには消毒はしないのに、共同防除にでていた。むらの人足がたりないからと・・・。消防団にかりだされるのと同じ感覚かな。空中散布はまだやっているところがあるんか?オレのところは止めた。(とめた。) 2006/06/02 22:02:菅野芳秀
▼うれしい言葉いいですねぇ。意欲を受け継ぎ、若さを吹き込む!こんな勢いのある言葉、久しぶりですよ。まだまだ捨てたものじゃないよな。そんな気持ちになった。
オレの息子も、自分の田んぼには消毒はしないのに、共同防除にでていた。むらの人足がたりないからと・・・。消防団にかりだされるのと同じ感覚かな。空中散布はまだやっているところがあるんか?オレのところは止めた。(とめた。) 2006/06/02 22:02:菅野芳秀
▼ありがとう(とめた)んですね。なるほど。
2006/06/03 00:23:青蛙
▼お待ちしています!明日の大隈塾、期待しています!
2006/06/04 22:25:つだっく
▼6月24日ですよ早稲田の大隈塾は24日ですよ。
2006/06/05 06:52:菅野芳秀
▼群馬県で農薬空中散布自粛の動きがありました菅野さんの事ですのですでにご存知かと思いますけど、今朝のNHKでもやってましたけど、群馬県は6月6日、県内で無人ヘリコプターを使った有機リン系農薬の空中散布を自粛するよう農協などに要請したそうです。菅野さんもかつて空中散布中止を求める際は地域の中でご苦労されたと聞いてますけど、どうやら時代の流れは変わりつつあるようですね。所でネットで早稲田の大隈塾見てみたら、6月26日と書いてありましたけど・・・
2006/06/08 00:25:金(コン)です
▼あつホントだ。26日でした。大変なことになるとこでした。ありがとう。まだ頭の中は田植え状態で、パチョン、パチョンと泥がはねているんです。
2006/06/08 11:33:菅野芳秀
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ようやく機械で植える田植えは終わった。これからは田んぼの四隅が植えられていないので、手作業での田植えとなる。13枚の田んぼがあるからあわせて52箇所。21箇所はおわった。今日中には終わるだろう。もう少しだ。
下の文章は昨年のもの。ほとんど状況は変わらない。それぞれの年齢が一歳ずつ上がっただけだ。本文を読んでもらえれば分かるけど、息子が農業に就いたので、若い方から数えて4番目になったことが唯一の変化かな。
田植えの季節が終わった。今年も田んぼの主役は年寄り達だった。
今年75才になる我が集落の栄さん。彼は5年前の70才の時、自分の田んぼ1ヘクタールの他に、近所の農家から60アールを借り受けるほど米作りに情熱を燃やしていた。でも、この春、借りた田んぼをもとの農家に返したという。
どんなにかがっかりしているだろうと、田んぼの水加減を見ての帰り、栄さんの家によってみたら、想像していたよりずっと元気だった。
「足腰が痛くてよぉ。これがなければまだまだおもしろくやれるんだがなぁ・・」
「自分の田んぼはつくれるのかい?」
「あたりまえだぁ、だまってあと5年はできるぞ。生きているうちは現役よ。」
意欲は衰えていなかった。やっぱりこの世代の人達は今の若い衆とモノが違う.
集落44戸のうち20戸が生産農家で、主な働き手の平均年齢は65歳と高齢だ。
私が20代中ごろで農業に就いたときは、若い方から数えて三番目だった。若いということで寄り合いの時などは年輩者から「机をだして。」「灰皿ないよ。」と指示され雑用係を務めていた。そのときから29年たった。いまも私は若い方から数えて三番目だ。50代中ごろの私は、60代、70代の先輩のもと、同じように皿だ、箸だと率先して動かなければならない。おそらくは10年後も、そのまま歳をとった70代、80代の先輩達に指示されて、箸だ、皿だと・・・。あまり考えたくはないが・・・。
「俺たちはよう、若い者たちをいたわっているんだよ。」
そう話すのは74才の優さんだ。毎朝4時半には目が覚めるけど、家の若い衆を起こしてはならんと、しばらくじっとしていて、田んぼにいくのは5時半をまわってからだという。それもそっと。そばにいた優さんの奥さんが笑いながらつけたした。
「私も、朝ごはんを出したり、掃除したりと、嫁を起こさないように注意しながらやっているよ。」
外に出てからもな・・と優さんはつけ加える。
「勤めに出ている村の若い衆を起こさないように、遠い方の田んぼに行って草刈り機械のエンジンをかけるんだ。」
村では年寄りはいたわられるものという、よそで普通に聞く話は通用しない。我が集落の水田は、栄さんや優さんが現役でいる限りは大丈夫だ。
だが、もう一つの現実もある。栄さんは今年、畔草に除草剤をまいた。除草剤をまけば、畔の土がむき出しになり、崩れやすくなるのだが、足腰の痛みにはかなわないということだろう。
緑が日々濃さを増していく6月の水田風景。そのところどころに、除草剤による赤茶けた畔がめだつようになってきた。これもまた、高齢化する農村と農民の現実である。
10年後、どういうたんぼの光景が広がっているのだろうか。