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▼学校研究

(1)研究主題
協同的に学び合い、
 一人一人が自己の学びと成就感を持つ授業の創造
 〜国語科の指導を通して〜


(2)主題について
 本校では、ここ数年、「自分の思いをもち、言葉で伝え合い学びを深める子どもの育成。」を研究主題に掲げ、国語科の指導を通して学校研究に取り組んできた。昨年度は、国語科の「読むこと」の授業を通して次のような成果があった。

 視点1「学び方がわかる」では、学年の系統性をふまえ、その単元で子どもにつけたい力を明確にして、授業を進めることができた。また、様子を表す言葉に注目しながら音読する、具体例を対比しながらノートにキーワードでまとめる、表現の技法の効果を理解して心情に迫るなど、読解の方法を教えてきたことで、一人一人が文章に向き合い、自分なりの読みができるようになってきた。

 視点2「伝え合う中で深め合う」では、 学び方を教え発問を吟味することで、大きな発問によって、文章の広い範囲に目を向け、自分の考えを持ちながら読み取る姿が見られるようになった。また、写真を手がかりに本文の言葉を説明する、事例にある立場に立って考える、動作化してみてその時の気持ちを述べ合うなど、文章や言葉を実感・納得させるための手がかりとなるアイテムや方法があるとき、話し合いが深まることがわかってきた。

 しかし、個々に自分の考えを持てても、それを進んで出し合い、深まる話し合いにはなかなかならず、教師の補助発問でようやくつながるキャッチボール型の話し合いに留まっているという課題が残った。また、学力検査の結果では、依然として読解力が落ちているという実態がある。

 これらの課題は、子ども達が、自分に自信がなかったり間違うことを恐れていたりして、多様な考えが出にくい雰囲気があり、自分の思いや考えの根拠を、本文のキーワード・キーセンテンスと結びつけて説明する力が身に着いていないためではないか。私たち教師も、一人一人の考えを認めようとするあまり、教師の説明が多くなり、子ども同士の発言をつなげないできたのではないかと、今までの授業のあり方を反省してみた。

 そこで、今年度は、精一杯考え表現し合い、協同的に学び合う授業づくり、子ども同士が発言をつなぎ合うバレーボール型への授業改善を目指し、「協同的に学び合い、一人一人が自己の学びと成就感を持つ授業の創造」を研究主題に設定した。これまで積み上げてきた国語科の学び方を切り口にして、国語科の本質にせまる学びを探っていきたい。

※「協同的に学び合う」とは、子ども達が対等な立場で学び合い、お互いを尊重し合い、ケアし合う学び。

■意義1
「わからない子」「納得できない子」の底上げの手段。
理解の遅い子どもたちが自分より能力がある仲間に依存することで自立することを学ぶ。
わかる経験は知識の「共有」であり、共感し合える関係が生まれる。

■意義2
教材や課題に対する異質な意見や解釈を交流する相互思考。
お互いのアイディアを惜しみなく提供し合い、議論し合う学び合い。本来目指したい「協同」。


(3)研究の全体像
【「読むこと」で身につけさせたい力】
■物語文
低学年:中心人物の行動を読みの観点として活用し、想像したことを表す力
中学年:クライマックス、中心人物の変化を読みの観点として活用し、因果関係を表す力
高学年:登場人物相互の関係、作品の主題を読みの観点として、作品の意味づけを表す力

■説明文
低学年:問いと答え、説明の順序を読みの観点として活用し、とらえた内容を表す力
中学年:段落相互の関係、「はじめ」「中」「おわり」の構成を読みの観点として活用し、論理を再構成する力
高学年:主張と根拠、筆者の意図を読みの観点として、それに対する自分の考えを表す力

児童の実態
  • 自信がなく、間違うことを恐れ、一部の子どもの発信に追従しがちで、多様な考えを発言できない。
  • 「わからない」と言えず、黙ってしまう。
  • なんとなく雰囲気的に感じる事はできるが、叙述に即して正確に読み取れない
  • 叙述を根拠に説明できない。
  • 長文を短時間で読みこなせない。

<めざす子どもの姿>(協同的な学びのイメージ)
  1. 根拠をもとに自分の考えを持てる【教材との対話】
    ・「〜とかいてあるから、〜と思うよ。」
    ・「ここまでは、わかるけど、〜はわからない。」
  2. 根拠を持って、仲間と自分の考えを出し合える。
    ペアやグループで【他者との対話】
    ・「〜とかいてあるから、こう思ったよ。」
    ・「今のことわからないから、くわしく教えて。」
    ・(〜さんとにてる。)(〜さんとちょっとちがう。)
    ◎一つにまとめなくていい。
  3. 根拠を持って考えを発言し合い、友達の考えによって自分の見方を変えたり、考えを深めたりできる。
    学級全体で【自己との対話】
    ・「〜さんの意見を聞いて思ったんだけど〜」
    ・「〜さんと似てるけど、わけがちがって〜
    ・「でも、私は〜だから、〜だと思う。」
    ・「〜さんの考えは、〜ということかな。」
    ◎ねらい(教科の本質)にせまるように教師がつなげ、収束していき、全体で共有する。


■視点1◎学び方がわかる
  • その単元で見つけさせたい力の明確化(学び合う価値の見極め、読解の技術的なものや教材の主題など、本時では)
  • 主体的に読めるような言語活動を取り入れた単元構成の工夫
  • 積み上げた学び方による一人学びの充実(物語の読みの10の観点など)


■視点2◎協同的に学び合う
  • 考える価値のある学習課題の提示(知的好奇心を引き出す工夫も)
  • 子どもの実態に即した話し合いの流れと、練り合いのポイント(どんな発言も切らないように、幾つかのパターンを考えておくことも大切)
  • 子どもを主人公にした話し合いにするための教師の関わり(聴く・つなぐ・戻す・ケアする)


※教師の関わり(役割)は「聴く・つなぐ・戻す・ケアする

■聴く
(1)何を根拠に表現したものか聴く。
「どこで、そう思ったの」「どうして、そう考えたの」すべてすぐ取り上げず待つ。
(2)テキストや資料のどことつながって発せられたのか、他の子どものどの発言とつながって発せられているのか聴く。曖昧な言葉を別の言葉で表現することで学びが豊かになる。
(3)その子自身のそれ以前の発言や考えとどうつながって発せられているのか聴く。
■つなぐ
人やものやこととつなげる。
■戻す
言葉の味わいや思考が深まっていないと感じたとき、教科書や資料集へ。つまずいているとき、既有の知識や基礎的事柄へ。
■ケアする
子どもの目、仕草、表情、体の動きなどから困り感つまらなさを感じたら、そばに行き、支援する。


(4)研究計画・方法
(1)研究の進め方
ア 授業研究を中核に据え、事前研究会と事後研究会で研究を深める。
  • 講師を3回招聘する。(オリエンテェーション5/30 授業研2回6/6 ,11/7)
  • 学校研究の主題に沿った研究授業を一人1回提案する。 本時は、協同的に学ぶ場面(話し合いの場面)に設定する。
  • 事前研究会は、全体で行う。事後研究会は、協同的な学びが成立したかどうか子どもの姿を中心に話し合い、そこから教師の関わり方を探り、研究を深める。


イ 研究の積み上げと日常化を図る。
  • 事後研究会で学んだ教師の関わり方や話し合いの組み立て方を日常の授業に生かし、次回の授業研究での積み上げを図る。(聴く・つなぐ・戻す・ケアする関わり方で、課題と結びつく考え、話し合いのとっかかり、 反対意見、別の視点に立った意見等をどう組み立てていくか)
  • 日常の授業で、国語科の学び方を積み上げる。
  • 練り合いの土台となる自己肯定感を育む学級づくりをする。
  • 発達段階に応じた「聞く・話す・話し合う活動」を通して、考えをやり取りする方法を段階的に身に付けさせる。ペア、グループも活用する。


ウ その他の研修について
  • 特別支援の授業や教頭、教務、講師による授業提案を設定し、研修の場とする。


(2)研究の組織
研究全体会

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